釣り上げられたイサキ

本命以外の魚は釣りの世界では外道と呼ばれます。
外道にはほかに意味があってあまりいい呼び方ではないのですが、磯のグレ釣りではイサキ、マダイがヒットすると外道ながら釣り人は喜びます。
日本人にはポピュラーで食べて美味しく、家族はもちろん、ご近所に配っても喜ばれるからです。リリースする人はまずいなくて、クーラーボックスに直行するのは間違いありません。
そんなイサキの釣り方を、仕掛けを中心に解説してみました。

イサキは夜行性です

イサキという魚の大きな特徴は夜行性だということです。
昼間は沖の深場にいて、暗くなると餌を食べるため岩礁帯に接岸してきます。
したがって、磯釣りでは夜釣りというのが一般的です。
ウキ下を深くして沖を流せばまれに日中でも釣れることはありますが、偶然的な要素が強く数は期待できません。
その点、沖釣りでは深場を流すことが可能ですから昼間でも十分数が出ます。

とはいえ、イサキの旬である5〜7月は餌盗りが多く、昼間の釣りはなかなか厳しいものがあります。
夜だと餌盗りは皆無というわけではありませんが、昼間よりはずっと少なく釣りやすいというメリットがあります。

 

磯ではフカセ釣りとカゴ釣りが楽しめます

イサキは岩礁帯を好みます。
砂地が多い防波堤ではまず望めませんから、釣り場としては90%が磯になります。
ふ化して間もない幼魚は縦縞があり、イノシシの子どもであるウリボウに似ているため小型のイサキも同じ呼び方をしています。
そのクラスなら時期によっては防波堤で入れ食いしますが、成長するにつれて岩礁エリアに移動します。

磯での釣り方は二種類あります。フカセ釣りと遠投カゴ釣りです。
フカセ釣りは繊細な仕掛けを使ってイサキの小気味よいアタリや引きを楽しみます。
遠投カゴ釣りは沖の潮に乗せて深場を流すため、型も数も望めます。
マダイやヒラマサもアタるという魅力もあります。

 

イサキ釣りのフカセ仕掛けはグレ用とほとんど同じです。
サイズは25〜30㎝が平均で、たまに40㎝を超える大型もヒットしますが、竿は1〜1.5号もあれば十分です。道糸は2号前後を小型のスピニングリールに巻いておきます。

ハリスは1.5号前後、ハリはグレバリ7〜8号というのが標準です。

グレ釣りと異なるのはタナが深いことです。

コマセが効けば浮いてくるのですが、釣り始めは竿1本以上、7〜15mはほしいところです。

そのため、深場を攻めやすいようにガン玉は2B以上を使います。

流れが速ければ5B、さらには0.5〜0.8号を使うことを考えて、それに対応したウキを使わなければなりません。

 

遠投カゴ釣りで使用する竿は3号以上

遠投カゴ釣りでは大型のアミカゴを使用します。

目の大きいアミカゴにオキアミを詰め、それを同じ地点に何度も投入してイサキを同一の流れに集めるというのが大切な作業になります。

大きく重たいアミカゴを何度も投入するには硬い竿が必要で、かなり体力が消耗します。

 

竿は3号以上、大型マダイの可能性が高いところでは5号も必要です。道糸は5号以上。

100m以上も流し、さらには突進するマダイやヒラマサをフリーで泳がせる必要があるため150m以上巻いておかなければならず、リールは大型が欠かせません。

アミカゴには5〜10号のオモリをセットして、速い流れの中でも深く沈むようにしておきます。

イサキだけを対象とするならハリスは3号で十分です。

3mほど出して、中間部から20㎝の枝スを出します。

いうまでもなく、マダイやヒラマサがアタる場合はもっと太くしなければなりません。

5号、さらには8号も必要になる可能性があります。

カゴの中身はオキアミが中心です。解凍したばかりのアミエビは目が光り、よくアピールするためマキエサとしては効果的なのですが餌盗りも寄せるため、条件によっては使わない方が賢明かもしれません。

サシエサはフカセ釣りと同様で生のオキアミ、またはエビのムキミが中心です。

餌盗りが多い場合はイカの短冊を使ってみてください。

 

沖釣りはタナの設定がカギ

沖釣りでは魚探でイサキの群れを探し、そこで竿を出すのが通例です。

ですから誰でも簡単に釣れると思われるかもしれません。ところが、これが簡単ではないのです。

なぜなら、イサキの群れは水平方向に広がっていて上下の層は薄く、仕掛けのタナが少しでも浅いか深いとヒット率は極端に落ちてしまうからです。

そこで、アタリがなければ船長が指示するタナの前後5mを探るようにします。

船長は魚探を見てイサキの群れがいる水深を教えてくれているのですから、大きくは違ってないはずです。

しかし、50㎝の違いで食わないケースもあるのです。

 

沖釣りの場合の仕掛けはこうです。

釣り場によって水深や流れの速さが異なるため、竿は20〜60号の中から選択します。

長さは2m前後というところでしょうか。

道糸はPEライン2号のマーカー入りをお勧めします。

その方がタナを上下する際の目安をつけやすいでしょう。

小型で軽い電動リールが次々と開発され、今では電動リールが沖釣りの主流です。

アミカゴはやはりオキアミをマキエサに使いますから目の大きい大型を使用します。

ハリスは1.5〜2号を2〜3m取り、その間に枝スを2本(20㎝)出します。ハリはチヌパリに換算して3〜4号です。

イサキの口は軟らかい部分があり、そこに掛かると途中で外れますから大きいハリほど有利です。

 

味は甘くて上品

釣り上げられたイサキイサキは上品な白身で、塩焼きや煮付けなどどのような料理をしても美味しく食べられます。

ただ、身は少しばかり軟らかく、プリプリした食感を好む人にとって刺身は物足らなく感じるでしょう。

そんな人にはマグロのように分厚く切るという方法もありますが、皮を湯引きにする松かさ造りがお勧めです。

これは三枚に降ろした時点でザルに取り、皮の上から熱湯をかけてすぐ氷水に浸すという調理方法です。

皮に火を通す加減が微妙で、通しすぎても足りなくても皮が硬くなるという難しさはありますが、皮の旨味も味わえると同時に身も締まり、刺身にはない美味しさを楽しめます。

ぜひ試してみてください。

 

まとめ

型や数に特にこだわらない限りイサキ釣りは難しくはありません。

場所と時期を間違えなければ比較的ボーズは少ないといっていいでしょう。

しかも食べて美味しいのですから、初心者にとっては嬉しい魚です。

磯釣りでは専門で狙う機会がそれほどありませんが、チャンスがあればぜひ楽しんでみてください。電気ウキが一気に引き込まれるアタリは爽快なことこのうえありません。

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