潮の様子

魚が釣れなかったときの言い訳に最も使われるのが「潮が動かなかった」です。

グレやチヌのウキフカセ釣りでは潮の動きが大きな比重を占めています。

平均して潮の動きがいいと魚の活性が上がり、よく釣れる確率が高くなります。

反対に、潮が動かないと活性が下がり、サシエサを食わせるのが難しくなって釣果は少なくなります。

では、どうして潮がよく動いたり動かなくなったりするのでしょう?

●潮が動く原因は三つ

潮の様子

釣り人が使っている「潮」という言葉には何通りかの意味がありますが、ここでは海水の流れを指しています。最初にそのことを断っておきましょう。

では、海水が動くのはどのような理由によるものでしょうか。

主な理由は三つあります。潮汐、海流、風がそれです。

潮汐とは干潮・満潮です。満潮になると海面が上がり、干潮では下がります。

海面が上がったり下がったりするのは海水が移動するからです。

満潮から干潮に向かうのが下げ潮、反対は上げ潮になります。

原則として上げ潮・下げ潮は反対に流れますが、地形などによって両方とも同じ方向に流れる場合があります。

また、上げ潮・下げ潮の一方しか流れないこともあります。

具体的な動きを説明しておきましょう。

満潮、干潮の時点では流れは止まっています。

そして、潮位が下がる、または上がるにつれて流れ始めます。

最初はゆっくり、そして動きに勢いがつくとどんどん速くなっていきます。

ただし、流れる方向や速度は一定ではありません。海の中にはさまざまな流れがあり、お互いに影響するためです。

同じ上げ潮、下げ潮の中でも方向や速さは次々に変化することを知っておいてください。

やがて次の満潮・干潮が近づくと流れは緩み、止まります。海ではこれを何度も繰り返します。

潮が動く理由のほかの二つ、海流と風については機会を改めて解説するとして、ここでは触れないでおきます。

 

●潮の干満と潮回りは月の動きが関係しています

どうして海面が上がったり下がったりするのかというと、月と太陽の位置が大きく関係しています。直接影響するのは月の動きで、地球の周囲を公転する月の引力のため海水が移動し、その結果、干潮・満潮が発生するのです。
では太陽はどのように関係しているかというと、海水の移動の程度に関わっています。

太陽と月と地球が一直線の位置になると引力は最大になり、海水は大きく移動します。

一方、月と太陽が地球から見て90度の位置になると引力は弱く、海水は小さくしか移動しません。

これが大潮〜小潮の原因です。大潮とは干満の差が大きい状態を指します。

小潮は差が小さい状態です。長潮、若潮も差は小さいと思っていいでしょう。

干満の差が大きいと潮の動きはよくなります。差が小さいと潮はあまり動きません。
大潮と小潮の間には中潮、若潮、長潮があり、それらは潮回りと呼ばれ、ほぼ同じパターンで繰り返しています。大・大・中・中・中・中・小・小・小・長・若・中・中・大・大・大・大・中・中・中・中・小・小・小・長・若・中・中・大・大というのがそれです。

退屈な話になりつつありますが、もう少し我慢して読み進めてください。

ここで大事なのは、最初の大潮から最後の大潮まで30日あるということです。そして、旧暦(太陰暦)とそれは完全にマッチしています。

旧暦の1〜2日は大潮、3〜6日は中潮、7〜9日が小潮、10日は長潮、11日は若潮、12〜13日は中潮、14〜17日は大潮、18〜21日は中潮、22〜24日は小潮、25日は長潮、26日は若潮、27〜28日は中潮、29〜30日は大潮というわけです。

潮汐表を見なくても旧暦を知っておけばその日の潮回りが分かるということです。

さらに、月の状態(満月か新月か半月か)を見てもある程度は判断できます。

 

●地形によって潮の動きは変わります

その日の潮回りによって満潮・干潮の時間もある程度決まってくるのですが、これは地形によって大きく変わります。

外洋か湾内かによって違いますし、狭い水道に面した流れの速いところも同様です。

そのため、釣りに行く前は必ず潮見表で潮回りと干満の時間を確かめておくことが必要です。

現在はスマホですぐ検索できますから釣り場で確認することも可能ですが、例えば満潮前後にアタリが多い釣り場であればその時間帯に絞って釣行すれば効率はよくなります。

また、潮の動きのいい日を選んで釣りに行きたいと思えば大潮を探し、そのスケジュールで予定を立てることも可能です(それができる人は恵まれているといえます)。

ただし、エリアによっては一日中潮の動きが悪いところがありますし、川のように速く流れて一向に止まらないところもあります。

動きの悪い代表は日本海で、通常は一日に干潮と満潮が二回ずつあるのにここは干潮、または満潮が一回しかない日が珍しくありません。

海面の上下に差がなく、干潮、または満潮と判断できないためです。

このようなところでは潮に頼らない釣り方=例えばサラシを利用しなければなりません。

一方、日本三大急潮と呼ばれる鳴門海峡や来島海峡、関門海峡などを代表とする潮の速いところでは潮止まりのわずかな時間を狙って釣りをします。

このように、潮についても釣り場によって特徴があります。

その釣り場で釣果を上げようとすれば潮の特徴も把握しておかなければなりません。

 

●魚の活性は潮によって変わります

ここまでは釣りをする立場から潮をみてきました。

では、魚にとって潮はどのような存在なのでしょう。

潮がよく動くと魚の活性が上がるとは前述しましたが、もう少し細かくみてみます。

魚にとって、潮の動きは新鮮な空気のようなものです。

動きが悪いと淀んだ空気を吸っているのと同じで、活性は落ちます。

ただし、常に潮の動きが悪いところではそれほど目立って活性が落ちることはありません。

また、2〜3月の厳寒期は沖から冷たい潮が入ってくると魚は自分の住みかに潜り込み、出てこなくなります。

そのようなケースではゆっくり潮が動くところがポイントになります。

さらに、ショアに限られますが、魚は総じて満潮前後に食いが立つ傾向があります。

堤防で釣りをする場合は満潮前後に絞ると効率がよくなります。

 

●まとめ

魚の活性が上がったり下がったりする原因は潮だけではありません。

水温や日照、風、波、濁り、朝夕のマズメなどさまざまな要素が複雑に絡み合っています。

ただ、活性が上がって食いが立つ時間帯=時合いは昔に比べてはるかに短くなっています。

運よく時合いに遭遇したら手返しよく魚を処理しましょう。

そうすることで数釣りが可能になります。

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