落とし込み釣り

九州の玄界灘で生まれ、釣れる魚種の幅広さと豪快な引きを手軽に体感できる事から全国的に年々人気が高まっているのが「落とし込み釣り」です。

釣り方としては、「落とし込み(喰わせ)サビキ」と呼ばれる専用仕掛けでアジやイワシといった小魚(以下ベイト)を掛けて、そのまま海底付近でそれらをエサとする大型魚のアタリを待つという大変シンプルなものです。

対象魚はブリやカンパチなどの青物やマダイ・カサゴやハタといった根魚・ヒラメなど、高級魚が揃っており、いずれも強烈なパワーの持ち主なので食味だけでなく釣趣も抜群です!

そこで今回は落とし込み釣りに必要なタックルの選び方と、実釣ではどのような点に注意すれば釣果を上げられるのかについて紹介します。

 

竿の選び方

 

ロッドの選び方ですが、非常に重要なのが①「感度」と②「パワー」の2点です。

出来る限りこれら2点のバランスが取れたものを選びましょう。

まず①についてですが、この釣りはベイトが掛からなければ釣りが成立しないので、竿の感度が悪くベイトのアタリが穂先に伝わらなければベイトが付いているのか分からない状態で何度も仕掛けを上げ下ろしして時間を無駄にしてしまいかねません。

また、底取りの際にも穂先が固いと仕掛けが着底しているのに気が付かず、そのまま放置して根掛かりということもしばしば起こるので、後述のパワーとの兼ね合いもありますがなるべく感度が良い竿を選びましょう。

次に②についてですが、落とし込みではヒットするのは基本的に大型魚で、海底付近でやり取りを開始するので、魚をしっかりと浮かせるパワーが無ければ根に潜られたり根ズレしたりとバラシが大変多くなります。

なので、相手に主導権を握らせずやり取りを有利にする為にもある程度のパワーは必須と言えます。

これらを考えると、最高なのは各メーカーから発売されている落とし込み専用ロッドですが、比較的高価なものが多いので、一般的なジギングロッドで代用しても問題ありません。

また、近年では各釣り具店がオリジナルで作成した安価なグラス竿も店頭で見かけることが増えてきたので、とりあえず最初の1本を揃えたいという場合はおすすめです。

いずれにせよ一点だけ注意したいのが、各遊漁船で統一されているオモリの号数です。

その号数のオモリを使っても竿の強度的に問題ないかは、購入時に確認しましょう。

 

(参考)

 ダイワ(Daiwa) 船竿 ベイト ゴウイン落とし込み H-243・J 釣り竿

 ダイワ(Daiwa) 船竿 ベイト 玄界灘X 73-225 釣り竿

RISEWAY(ライズウェイ) ロッド ディープスタイル 落とし込み 230S

 

リールの選び方

 リールは結論から言えば「手巻き」「電動」どちらも使用できますが、手返しの早さや肉体的な負担を考えると電動リールが圧倒的に有利です。

糸巻量はその船によって道糸の号数が指定されている場合が多いので一概には言えませんが、PE3~4号が300~400メートルほど巻けるものであれば使用できることが多いです。

ただし、中にはPE6号を指定されるような地域もあるので一度確認してから購入する方が安心です。

ちなみに、手巻きリールを使用する場合は「水深カウンター」が付いている方が、船長がアナウンスするベイトのタナに正確に仕掛けを通せるのでおすすめです。

また、リールのドラグ力に関してですが、一般的には最大10キロもあればブリが相手でも十分にやり取り出来ますが、大型のヒラマサやカンパチ、ハタ類もヒットするような海域であれば20キロほどの設定のものを用意しておくと良いです。

 

<参考>

 ダイワ リール 17 タナセンサー 500 

ダイワ リール レオブリッツ S500J

シマノ (SHIMANO) 電動リール 16 ビーストマスタ- 3000XP 右ハンドル

 

ラインの選び方(道糸+リーダー)

 道糸のPEラインは1人だけ違う太さのものを使用すると、潮流が速い日はオマツリが連発するので自分が乗る船の指定号数を必ず使用しましょう。

PEラインは伸びがほとんど無い分、感度も素晴らしく引っ張る力に対しては非常に強いのですが、その一方で摩擦に対しては大変弱いので、ラインブレイクを防ぐ為にもショックリーダーは必須です。

号数としてはフロロカーボンの12号~20号をFGノットやPRノットなど強度に定評のある結び方で接続しましょう。

根が荒い場所や大物の実績が高いポイントでは太めの号数を接続すると多少強引なやり取りにも対応できるので、取り込める確率がある程度高まります。

 

<参考>

デュエル(DUEL) PEライン ハードコア X8 300m 3.0号 10m×5色マーキングシステム H3268

クレハ(KUREHA) ハリス シーガー 船ハリス 12号

ダイワ(Daiwa) ハリス ディーフロン 船 フロロカーボン 75m 20号 クリアー

 

仕掛けの選び方(サビキ+オモリ)

 落とし込みサビキも年々種類が増えてきていますが、その時期のベイトや本命の大きさによってよく釣れる仕掛けも変わってくるので、事前に複数種類を用意しておきます。

ハリスの号数は地域にもよりますが、ハマチなどの青物やマダイ、ヒラメなどを狙うのであれば8号~14号を揃えて、12号をメインにして状況によって使い分けると良いです。

また、針にフラッシャーが付いている仕掛けと付いていない空針仕掛けも半々の割合で用意しておくと、例えば夏場などでサバが大量に湧いて邪魔をする場合に空針仕掛けを使うことである程度避けることも可能なので便利です。

いずれにしても根掛かりやオマツリなどで日によってはある程度の仕掛けの消耗は覚悟して釣る必要があるので、最低でも合計10セットは手元に用意すると安心です。

ちなみに、市販仕掛けの中でも異常に値段が安いものは、針の結束やハリスの強度に問題があることも多いので、避けた方が無難です。

オモリに関してはラインと同様に各船指定の号数を使用しましょう。

オモリの形も複数ありますが、棒型(ホゴオモリ)が仕掛けの落下もスムーズで、根掛かりしても比較的外しやすいので揃えておくと良いです。

 

<参考>

 ハヤブサ SS406 活き餌一撃 喰わせサビキ 玄海・平戸沖スペシャル

 ハヤブサ(Hayabusa) 船極喰わせサビキ 落し込み ケイムラ&ホロフラッシュ 強靭イサキ6本 SS426 10-12-12

 OWNER(オーナー) 喰わせ剛サビキ W胴打ち 7-10-10

 

 

以上が落とし込み釣りで最低限必要なタックルとなります。

釣り方もシンプルですが、道具も非常にシンプルであることが分かると思います。

いきなり全て揃えるのは難しいという人は、まずは船に用意されているレンタルタックルを使ってみてから決めるというのも一つの方法です。

さて、次はいよいよ実釣編です!

 

釣果を上げる為に気を付けるべきポイントとは!?

 

落とし込み釣りは基本的に「待ちの釣り」というイメージがありますが、ただアタリを待つだけでは思うように釣ることが出来ません。それでは、どのような点に注意して釣れば良いのかを実際の「乗船」~「実釣」の流れに則って説明します。

 

乗船~ポイント到着

 乗船してからポイントに着くまでに、すぐに釣りが開始できるよう出来る限り準備をしておきましょう。リールがセットできたらリーダーの先にサルカンを結んでから仕掛けのサルカンを接続します。この時、リーダーを仕掛けのサルカンに直接結ぶのではなくて、もう一つその間にサルカンを挟むことで仕掛けを交換する際に糸を結び直す必要がなく、1タッチで対処できます。オモリに関してはロッドホルダーの中に竿と一緒に入れて固定できる場合は付けておくと良いです。ちなみにドラグもこの時調整しておきましょう。こうした準備は船が港を出る前に済ませた方が揺れも少ないので簡単にできます。

 

釣り開始~仕掛けの投入

 ポイントに到着し釣り開始の合図があると同時に仕掛けを入れます。船長はベイト反応の上に船を付けるので、ここで遅れずに投入することが確実にベイトを掛けることに繋がります。船長がベイトの泳ぐタナを知らせてくれる場合は、そのタナに仕掛けが届くまではメカニカルブレーキを緩めることでなるべく早く仕掛けを落として、ベイトのタナが近づけばブレーキを締めて速度を少し遅くしましょう。この落下速度の調節がベイトの掛かりに大きく影響してくるので、掛りが悪くなればさらに速度を遅くするなどこまめに調節しましょう。着底するまでに掛からなかった場合は、仕掛けをベイトのタナまで回収してからもう一度落とすという動作を繰り返します。

 

アタリを待つ

 無事にベイトが付けば一度着底させましょう。着底したら、必ず3メートルほど海底から仕掛けを浮かせた状態でアタリを待ちます。これは周囲の大型魚に対してより強くアピールする目的と、根掛かりを防止する目的があります。一度底取りをした後も、一定の間隔でこまめに底取りを続けて、仕掛けが常に海底から3メートル上にある状態を保ちましょう。これを怠って仕掛けがベタ底の状態が続くと、魚種を問わず本命のアタリが激減するので注意が必要です。

加えて、穂先の動きにも注目してベイトの小刻みな動きが感じられなくなったら、弱ったと判断して新しく生きの良いベイトを付け直すように意識するとヒット率が大幅に高まります。

ちなみに、仕掛けを回収するとハリスの部分がねじれて不自然な形になっていたり、傷が入っている場合がありますが、こういった場合はなるべく新品の仕掛けに交換することをおすすめします。特にエソが多く当たってくるような日は、気が付かない内に細かい傷がいくつも入っている事が非常に多いので、面倒でも毎回仕掛けを回収する度にチェックする方が良いです。

 

アタリとアワセ

 アタリは本命が近づいた段階で、竿先が激しく上下する前アタリが竿先に出ます。大抵の場合はその後すぐに竿先がグッと入る本アタリが来るので、竿の根本から曲がるくらいまでじっくりと待ってから巻きアワセを入れましょう。早アワセをするとどうしてもバラシが多くなるので、ほとんど向こうアワセの意識で待つくらいでちょうど良いです。また、大アワセをするとすっぽ抜けることが多いので、竿先が下がった状態から上に少しゆっくりと持ち上げるような形でアワセを入れると良いです。慣れるまでは意外とタイミングが難しいのですが、何度か経験するとコツが掴めます。

 

 

やり取り~取り込み

針掛かりすればまずは「底を切る」という1点をとにかく意識して下さい。相手が大型であればあるほどヒット直後に主導権を握られると根ズレの可能性が格段に高くなるので、電動リール・手巻きリールを問わずしっかりとポンピングを行って対処しましょう。電動リールの場合、モーター音が鳴り響くのを聞いて安心しても実際にスプールと水深カウンターを見ると全く糸が巻けていないことも珍しくないので、ファイト中も気を付けて見てみましょう。特に根が荒い場所では、長期戦は不利なので相手が少しでも浮いてきたのであれば多少強引にでも勝負に出る方が良いです。ちなみに青物が相手の場合は底を切れば少しドラグを緩めてやり取りすることで口切れなどによるバラシを防ぐことが出来ます。海面に浮いて来れば船長が差し出す玉網にまで魚を誘導して取り込み完了となります。取り込み直前でのバラシも多いので、最後まで集中しましょう。

 

まとめ

 今回は実釣時に注意すべきポイントについてまとめましたが、いかがだったでしょうか。

特に落とし込み釣りが初めての人にとっては、最初から全ての点に注意するのは難しいかもしれませんが、これらを意識して釣ることで釣果は自ずと変わってくるので、しっかりと実行して是非とも高級魚をゲットしましょう!

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