サヨリは細長い体をしています。同じような細長い魚としてはほかにサンマ、ダツがいて、混同している釣り人も少なくありません。
ただ、サヨリの特徴は下アゴだけが長く突き出ているところにあります。サンマやダツとの大きな違いはそれで、さらに下アゴの先端は口紅を塗ったように赤く、それを見れば一目でサヨリと判断できます。
>>Contents
ウキ釣り仕掛け
サヨリの主食は動物性プランクトンで、それが流れて集まっているところに群れで回遊
してきます。そのため、潮がよく流れるところ=堤防の先端やカドがポイントになるこ
とが多く、ある程度限られてきます。昔からサヨリ釣り場として知られるのはそんな場
所で、サヨリは足元まで回遊してきます。そういうケースで楽しめるのがウキ釣り仕掛
けです。
竿(ロッド) | 磯竿1号4.5〜5.0m 海面から高くないところではリールを使わないのべ竿でも楽しめます。 |
リール | スピニングリール1000〜2000番 |
道糸 | ナイロン2号 |
ハリス | ナイロン、またはフロロカーボン0.8〜1号20〜50㎝
水面まで浮上して見えるときは20㎝で十分です。 |
針 | 袖針5〜6号 |
ウキ | 小さい玉ウキ(シモリ玉)三〜五連、または小さい棒ウキと飛ばしウキの組み合わせウキが軽いと操作性が落ちます。玉ウキを使う場合は一番上に木玉、またはスーパーボールを通しておいてください。 |
オモリ | 原則として使用しませんが、深場を釣るときのみG2〜Bのガン玉を使います。 |
カゴ釣り仕掛け
サヨリが足元で釣れる場所はそれほど多くありません。
そこで、遠投して沖の潮目を釣るためにカゴ釣り仕掛けを使う人が増えています。
現在ではほとんどの人がこの仕掛けを使っています。
竿(ロッド)
磯竿1.5号5m
リール
スピニングリール2000番
道糸
ナイロン2号
ハリス
ナイロン、またはフロロカーボン1.0〜1.5号
針
袖針5〜6号
カゴウキ
カゴとウキがセットになったもので、サヨリ釣りには小さなもので十分です。
エサ
動物性プランクトンを主食とするサヨリにはアミエビが抜群の効果を表します。
そこで、解凍したアミエビをコマセとして使用します。足元まで回遊していれば海水で薄めてシャブシャブ状態にします。
それでも十分サヨリは集まってきますから、少ないエサでも効果は十分というわけです。
カゴウキに詰める場合はそれでは都合が悪いので、解凍したアミエビをそのまま使います。配合エサを混ぜると増量できます。
サシエサも同じアミエビを使いたいところですが、これは小さくて軟らかく、針に刺すのにかなり苦戦します。比較的大型のサシアミ、または大粒アミエビにすれば刺しやすいのですが、活性が落ちたときは食いが悪くなります。
昔はハンペンを小さく切ったものをサシエサとして使用していましたが、アミエビに比べて食いは落ちます。
そこで、何種類かを持参して食いに応じて使い分ければいいでしょう。
アミエビを使う場合は大粒のものを選び、頭、または尾を切り取ってそこから針を刺します。
背中の硬い皮を通すと遠投しても落ちにくいのですが、針を刺す時点で身が崩れる可能性があります。
ザルに取っておいて水気を切ると少しは刺しやすくなります。
釣り方
サヨリは群れで回遊しているので、たくさんの釣り人がいるところで竿を出した方が釣果は確実です。
コマセが多く投入されますから効果も倍増します。先客がいれば適当な距離をとってそこに自分の釣座を決めましょう。
現在はカゴ釣りがメインなので、それに沿って解説を続けます。先客のウキがどの辺りに浮かんでいるかをざっと見渡してください。ほぼ同じラインに並んでいることがわかると思います。そこがサヨリの群れがいる場所ですから、仕掛けをそこまで遠投します。周囲に釣り人がいないときは適当で構いません。左右に釣り人がいるときは仕掛けを絡ませないように注意してください。まっすぐ飛ばないときはオーバーヘッド=真上から竿を振ってください。
仕掛けが着水したら4〜5m引き戻し、仕掛けをまっすぐにします。そうしておかないとウキが敏感に反応してくれないからです。
アタリとアワセ
サヨリのアタリは一定していません。ウキはいろいろな動きを見せます。最も多いのは横走りですが、ピョコピョコしたりフイッと消えたりすることもあります。
三連玉〜五連玉を使って半分以上を沈めていると、水中のウキの動きも参考になります。カゴウキの場合はその下に玉ウキをセットしておくと、そのウキの小さい動きでアタリを知ることができます。
サヨリの口は硬く、しっかり針掛かりさせるのはなかなか難しいところがあります。サヨリ釣りを経験したことのある人は知っているでしょうが、取り込みの途中でポロッと外れてバラすことがしばしばあります。それを防ぐには強くアワセる必要があるのですが、竿を大きく強く立てるとサヨリもろとも飛んでくる可能性があります。それでも無事に取り込めれば問題はないのですが、大抵は海に落としてしまいます。仕掛けが絡んだり、周囲の釣り人に迷惑を掛ける場合もあります。
それを防ぐには道糸のたるみを取っておいて鋭く強く、それも小さな範囲でアワセます。針先を常にチェックして、曲がったり折れたりしていたらすぐ交換しましょう。アタリがないときはサシエサがなくなっている可能性があります。サシエサが残ってい
るのにアタリがなければタナが深くなっていると判断してウキ下を深くしてみてください。
3本針のサビキ仕掛けに交換してみるのもいいでしょう。そうすれば浅場から深場まで流すことができます。
料理
サヨリの産卵時期は春〜夏で、秋には生まれて間もない小型のサヨリがよく釣れます。
この時期はエンピツサイズと呼ばれ、吸い物や塩焼き、干物に向いています。
晩秋から冬〜春と時間が経過するとともに大きくなり、30㎝を超える大型に成長します。そこまで大きいのはサンマ級と呼ばれ、刺身や寿司だねにもなります。
調理する際は腹部の黒い膜を完全に切り捨てましょう。これは苦く、残っていると味に悪影響を与えます。
まとめ
サヨリは手近な堤防で釣れるとあって家族連れでも楽しめます。
せっかく針に掛けておきながらバラすことはたびたびありますが、仕掛けも釣り方もそれほど難しくはありません。
釣り上げた魚を食べるという楽しみもあります。
家族で1日を楽しむのにサヨリという魚は絶好といっていいでしょう。